セルロースセメントの乾燥時間を知りたい
この記事では、セルロースセメントを使った自作ルアーのコーティング方法について解説しています。
セルロースセメントは、ルアーメイキングを行う上で最もメジャーなコーティング材です。
ルアーメイキングを始めたばかりの方は、まずはセルロースセメントでのコーティングに挑戦してみることをおすすめします。
ルアーをコーティングする理由
ルアーメイキングでは、必ずコーティングという工程が発生します。
まずは、なぜこの工程が必要なのかを理解しましょう。
防水
一番の理由は防水です。
ルアーの代表的な材料である木材は水を吸います。水を吸ったルアーは浮力を失い、ルアーの浮き姿勢やアクションに致命的な影響を生みます。
ルアーのボディへの浸水を防ぐため、コーティングを施します。
補強
ルアーのボディを補強するという目的もあります。
バルサ材や粘土など、柔らかい材質のボディは、キャストミスで岩にぶつけたり、魚とのファイトで負荷がかかったりすると、簡単に割れたり曲がったりします。
それを防ぐため、コーティング材を使って補強します。
セルロースセメントを使う理由
セルロースセメントは、乾くと衝撃に強い強固な塗膜となります。
ある程度の弾力も維持するため、硬い岩などにぶつけたりしても簡単には割れません。
難点は、乾くのに2〜3時間程度かかることと、塗膜が薄いために15〜30回程度の重ね塗りが必要なこと。
コーティングに時間がかかってしまいますが、その分ルアーが強くなりますので、根気強く作業しましょう。
コーティングに必要な道具を準備しましょう
コーティングに必要な道具を説明します。
セルロースセメント
まずはコーティングに使うセルロースセメントを入手しましょう。
セルロースセメントはホームセンターでも売っていますが、近くにない場合にはネット通販が便利です。
Amazonや楽天など、普段お使いのネット通販で検索してみましょう。
乾燥用クリップ
コーティングするルアーを引っかけて乾燥させるためのハンガーを、ゼムクリップを広げて作成します。
針金を曲げて作ってもOKです。
メタルラック
クリップを引っ掛けて乾燥させるメタルラックを準備しましょう。
小さいルアーを作るなら、キッチン収納に使うような小型のもので構いません。
100円ショップやホームセンターで手に入ります。
防毒マスク
セルロースセメントには有毒なシンナーが含まれます。
コーティングを行う際には換気を行うことはもちろんですが、防毒マスクを着けて行うようにしましょう。
コーティングの手順
セルロースセメントによるコーティングは、コーティング材の入った容器にルアーを直接漬ける「どぶ漬け」と呼ばれる方法で行うのが一般的です。
ルアー全体をセルロースセメントの塗膜で覆うことができるので、塗り残しによる浸水を防ぐことができます。
ゆっくりとどぶ漬け
容器に入ったセルロースセメントに、ルアー全体を漬けます。
漬けるときと引き抜くときの動作は、秒速1センチくらいの速さでゆっくりと行います。(例えば5センチのルアーなら1個当たり漬けるのに5秒、引き抜くのに5秒かけます)
ゆっくり行うことで、気泡の発生を防ぎ、液だれも少なくコーティング剤の無駄を減らせます。
ハンガーに吊るして乾燥
どぶ漬けしたルアーは、乾燥用のラックなどにかけて乾燥させます。
この時に、ルアーの下の方にコーティング剤が垂れてくるので、綿棒を使って取り除いておきます。
2時間程度乾燥させたら、次のコーティングを施します。
コーティングの間を何日も開けてしまうと、表面がひび割れてしまうことがあるので、長くても放置するのは1日までにしましょう。
上下を入れ替えて繰り返しコーティング
セルロースセメントは塗膜が薄いため、コーティングは最低でも15回から20回程度は必要です。
重力によってコーティングの厚みが偏ってしまうので、毎回ルアーの上下を入れ替えて行います。(はじめ頭を上にしてコーティングしたら、2回目は頭を下にしてコーティングする)
アイの部分がバリで固まるので、カッターナイフなどで取り除いてからハンガーを入れ替えます。
セルロースセメントでコーティングをするときの注意点
セルロースセメントを扱う際には注意点があります。
健康被害に影響することでもありますので、必ず以下で紹介する点に注意してください。
換気のできる場所で行いましょう
セルロースセメントには、有毒なシンナーの成分が含まれます。揮発するときに石油系溶剤特有の強い臭いがしますので、換気扇の付いている場所か屋外で行いましょう。
湿度の低い場所で行いましょう
セルロースセメントは湿気があると硬化したときに白濁してしまうことがあります。一度白濁してしまうと修正は困難なので、できるだけ乾燥した場所で使いましょう。
梅雨の時期など湿気の多い場合には、除湿機をかけておくのも一つの方法です。
コーティングのしすぎに注意しましょう
セルロースセメントは、コーティング回数を重ねるごとに強固な塗膜になりますが、その分重みも増します。
ルアーの素材や大きさによっては、フローティングで作ったつもりが重くなりすぎて沈んでしまうということにもなりかねません。また、バルサのように浮力が高い素材は、メリハリのある動きが特徴ですが、塗膜を厚くしすぎるとアクションがもたつくというデメリットもあります。
トラウトルアーのような小さいものであれば、30回くらいまでが限度ではないでしょうか。
ご自身でテストを重ね、強度と浮力のバランスが取れる適切なコーティング回数を見つけることをおすすめします。
まとめ
ルアーメイキング初心者の方におすすめのコーティング材はセルロースセメントです。
セルロースセメントは、どぶ漬けを繰り返すだけで丈夫なコーティングを施すことができます。
セルロースセメントでコーティングを行う際には、有害物質を吸わないよう換気のできる場所で防毒マスクを装着した上で行いましょう。
コーティングの塗膜を厚くしすぎるとルアーのアクションが悪くなるので、コーティングのしすぎには注意しましょう。
注意点をしっかり押さえれば、コーティングの作業自体は簡単です。
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