- バルサ以外でルアーを作りたい
- コーティング回数を少なく丈夫なルアーを作りたい
バルサ材よりも比重が重いアガチス材は、ボディの形状によってはノーウエイトで作ることができます。
さらに、丈夫な材質なので、バルサ材よりもコーティング回数が少なくて済むというメリットもあります。
この記事では、アガチス材を使ったミノーの作り方を解説します。
当サイトでは、他にも以下記事でアガチス材を使ったルアーの作り方を紹介しています。合わせてご覧ください。
アガチス材とは
アガチス材は、主に家具などを作る際に使用されることの多い木材です。
木目が細かく縦に裂けにくいので、細かい造形をするのに適しています。
比較的ポピュラーな木材なので、ホームセンターに行けば簡単に手に入ると思います。
アガチス材の削り出しには、カッターでは刃が弱くて危険なので、木工用の切り出しナイフを使います。
切り出しナイフは、ホームセンターなどで1,000円程度で買えるはずです。
今回は厚さ8ミリのアガチス材を使います
アガチス材を切り出す
まずは、バルサで作った時と同じように、木材の面に型紙でルアーの形を描きます。
このルアーにはウエイトを入れないので、ウエイト位置を描く必要はありません。
アガチス材はバルサ材よりも比重が重く、フローティングミノーを作るのならウエイト無しでちょうどいい浮き姿勢になります。
ルアーの形に削り出す
型紙を使って描いた線を目安に、ボディを削り出します。
電動の糸のこがあれば楽に切り出せると思いますが、一般家庭にそんなものは無いので、頑張ってナイフで削ります。
バルサに慣れていると、アガチスはかなり堅いので、ナイフの取り扱いには注意してください。
力を込め過ぎてざっくりと指を切ってしまうことがあります(経験済み)。一気に削ろうとせず、少しずつ丁寧に削るようにしてください。
ボディを立体的に成形する
ナイフでボディを立体的に削っていきます。
まずはボディのサイドを左右対称になるように削ります。
四角くなっている角を落とし、またその角を落とす、という感じで削っていきます。
ボディの断面が逆三角形になるように削ります。
アガチスは堅いので、バルサのようにサンドペーパーでは簡単には削れません。綺麗に仕上がるように、ある程度はナイフで形を整えておきましょう。
「角を削る」→「さらにその角を削る」→「さらにその角を削る」というイメージです。
#60くらいの目の粗いサンドペーパーを使って粗削りし、#200以上の目の細かいもので仕上げます。
サンドペーパーはルアーよりも大きめに切り、全体を使って削るようにすると綺麗にできます。
ヒートンの取り付け
サンドペーパーで削り終わったら、ボディにヒートンを取り付けます。フローティングミノーであれば、アガチス材の場合はウエイトは必要ありません。ヒートンとフックを取り付ければ、あとは木材そのものの比重で、程良い浮き姿勢を保ちます。
ただし、ボディに厚みを持たせた場合には、バランスを取るためにウエイトが必要になります。以下のルアーもアガチス材で作りましたが、ウエイトを入れなかったために、横向きに浮いてしまっています。
はじめのうちは、ちょうど良いバランスになるよう試行錯誤が必要です。
せっかくアガチス材で作るので、エラの部分を立体的に削っておきましょう。太い丸刃の彫刻刀でちょうどいい形のえらが作れます。
合わせて、皮ポンチで目玉の入る窪みも作ります。
リップの取り付け溝もこの時に彫っておきます。カッターナイフで位置を決め、ノコギリで軽くなでるようにしてゆっくりと彫ります。
アルミ貼り、ウロコ模様を刻む
ボディの形成が終わったら、アルミを貼りましょう。
バルサ材で作る際にはボディ強化のために下地コーティングをしましたが、アガチス材の場合はコーティング前にアルミを貼ります。
ウロコ模様は貼った後にナイフで付けるので、型紙で切り取ったアルミテープをそのまま貼ります。
※ウロコ模様についてはいろいろなやり方があるので、自分なりの方法で付けてみてください。以下記事で紹介しているのでご覧ください。
ここでは、模様の付いていないアルミテープを貼り、ナイフでウロコ模様をつける方法を採用します。
型紙に沿って切ったアルミテープをボディに貼り、ペンのキャップなどの柔らかいプラスチックで馴染ませます。
切り出しナイフを使い、1ミリくらいの幅でウロコ模様の線を刻みつけます。
アルミテープは、一度模様を刻んでしまうと消えないため、失敗したらテープを貼り直してもう一度挑戦しましょう。
ルアーの形に削り出す
ボディのウロコ模様を刻んだら、お好みで背中にもウロコ模様を刻みます。何も刻まなくても、美しい木目が出るので見栄えは良くなります。
顔にも模様を付けてみましょう。丸刃の彫刻刀がおすすめです。
背中の着色
アガチス材のルアーを作ったら、せっかくの綺麗な木目を活かしたカラーリングをしたいものです。
でも、木材の色そのままでは物足りないという方は、塗料を染み込ませる方法を試してみることをお勧めします。
着色せずに、アガチス材の地の色だけでも素敵に仕上がります。
コーヒーで着色
身近なものでは、コーヒーでも色を付けることができます。
インスタントコーヒーを同じ分量のお湯に溶き、綿棒に染み込ませてボディの背中側に塗ります。
一晩乾かせば、味のあるこげ茶色に染まります。
水彩絵の具で着色
水彩絵の具を使っても、木目を活かす着色が可能です。
スポンジに絵の具を染み込ませて、はたきつけるように色を付けます。
コーティング、カラーリング、仕上げ
アルミが終わったら、あとはひたすらセルロースセメントでのドブ漬けコーティングです。
7-8回終わったところで、腹側のみホワイトのスプレーを吹いて、木工用ボンドで色止め。
さらにコーティングを5-6回行ないます。
コーティングの回数は多くても15回程度で大丈夫です。
目玉とリップを付けて完成
コーティングのバリをとり、目玉とリップを付けたら完成です。
リップの作り方と取り付け方は、以下の記事で詳しく書いています。
今回作ったルアーは、下の画像のような浮き姿勢になりました。
ノーウエイトですが、ヒートンとスプリットリング、フックの重さだけでこれくらい沈みます。
背中に付けたウロコ模様は、コーティングを終えると以下のように浮き出ます。
以下もアガチス材で作ったルアーです。こちらはボディに厚みがあるため、浮き姿勢のバランスを取るためにウエイトを入れています。
ちなみに、このルアーは始めはノーウエイトで作ったのですが、厚みのあるボディにしたので浮力が強すぎ、横向きに浮いてしまいました。
新しくルアーを作る場合には、ボディを削った後にガン玉などを付けて浮き姿勢を確かめると良いでしょう。
失敗してしまったルアーは、minneのようなオンラインマーケットでアクセサリーやストラップとして販売してみるのもありです。
まとめ
アガチス材を使ったミノーの作り方を紹介しました。
丈夫なアガチス材は、ヒートンを取り付けられ、コーティングが少なくて済むという利点があります。
美しい木目を活かし、着色しなくても綺麗なルアーが作れます。
硬い材質なので削るのが大変ですが、慣れれば扱いやすい木材です。
ぜひ挑戦してみてください。
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